フォークロアな風景をアシッドでねじってメルヘンじみたようにキラキラさせる。そんな酒井潤のソロユニットバッカナルのターニングポイントとなったアルバムがこの『幻影師バッカナル』である。酒井の歌と12弦アコギを軸として、ジャンクミュージシャンskmtとタッグを組んでアレンジした楽曲の数々は、いつでもなつかしく、時にヒリヒリした感情を聞き手に与える。
酒井が元来持っていたオルタナティブ・ミュージックの嗜好は、日本の風土に染まったゆえの感覚と奇妙に融合し、アコースティックにこだわった編成でそれは独特のアシッド・フォークな音像を生み出すに至った。「変わらぬもの」と「転がりつづけるもの」を酒井潤=バッカナルは軋轢あわせることはせずに、粘土のようにぐにゃりとねじこんでしまってひとつの大きな塊にしてしまう。そしてそのサウンドスケープの構築に深く関わっているのが、前述のskmt(現モロ:リーダー)である。ポリバケツで作ったベースや、掃除機のホースを利用して不可思議な音を作り出すskmtとの出会いは、酒井の想像欲求を強く刺激したのではないかと思われる。そうしてここに奇妙な傑作が出来上がった。NO WAVEの風味さえ感じさせる、日本のロックのひとつの可能性。
名称: | バッカナル『幻影師バッカナル』 |
番号: | INVE-33 |
媒体: | CD-R×1[紙ジャケ仕様:構造詳細] |
TRACK: | 1. 影の国(幻影師バッカナル) 2. 口をあけてねるぼく 3. ゴゴンゴー 4. 夜の王 5. 夏休み 〜走れ、ブロウウィンド号〜 6. 田んぼ音頭 7. どこまでいける 8. 急行きたぐにのテーマ |
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